婚姻費用について相手方(女性)は無職であったが、裁判所は女性にパートとしての収入があると捉えて婚姻費用を判断し、8万円の請求を4万5000円に減額した事例

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依頼者属性

依頼者:男性 30代 公務員

相手方:女性 20代 無職

未成年子:1名

事案の概要

性格・価値観の不一致から別居を開始しました。婚姻費用はお互いの収入をもとに計算をしますが、女性は無職であったため、収入を0円であることを前提に、婚姻費用(生活費)を請求してきました。

しかし、男性としては、女性は働けるのに働かないことに納得できず、また、住宅ローンの支払いを負担していたことから、当事務所に依頼をされました。

弁護士の対応

裁判所の手続である「審判前の保全処分」という手続きの中で主張反論を行いました。

女性側は、子どもが小さいことから働くことができず、婚姻費用の計算にあたっては、女性の収入を0円とするのが妥当であると主張し、婚姻費用として月額8万円の支払いを求めてきました。

これに対し、当方は、お子さんがすでに保育園に通っていることから、女性には日中は時間があること、女性が過去に働いていた経験があること等を指摘して、女性は十分に働いて収入を得ることができることを示しました。また、女性が専業主婦である場合でも一定の収入があることを認定した裁判例や、国が公表している女性の平均賃金等の客観的データを示しました。

結果

裁判所は、女性は少なくともパート勤務を行うことができると指摘して、パートの平均賃金をもとに、婚姻費用を算定すべきと判断をし、婚姻費用は4万5000円が相当であると判断しました。つまり、月額約3万5000円もの減額を行うことができたのです。

担当弁護士のコメント

女性が十分に働くことができる能力があることや、時間があることを細かく主張できたことが良い結果につながったと考えています。