共有物分割請求により夫婦共有名義の不動産を単独所有とすることに成功した事例

事案の概要

別居をして数年が経つ夫婦の夫からのご依頼です。
離婚協議の中で財産分与で合意に至ることができず、夫婦共有名義の不動産の処理が未了になったままでした。
夫婦共有名義とはいえ、住宅ローンの支払いは全額夫が負担しており、さらには、夫婦双方が自宅から退去していたため、空き家の状態でした。

ご依頼者様としては、このまま住宅ローンを払い続けることが経済的に負担であることから、当事務所にご依頼されました。

当事務所担当弁護士の対応

従前の交渉経過を踏まえ、すぐに共有物分割請求訴訟を提起することにしました。

共有物分割請求訴訟は、その分割方法は様々ですが、簡単に言うと相手方( 妻)の共有持分を買い取るという方法を提案しました。

相手方は争ってきましたが、裁判官としても当方が提案する和解方法を理解してくださり、和解により解決することができました。

具体的には、固定資産評価額をもとに共有持分割合で乗じて、その額にプラスアルファをした金額で合意することができました。

和解調書を下に、共有物分割の登記を行い、解決に至りました。

担当弁護士の所感

夫婦間での財産分与で話し合いがまとまらない時、主債務者が住宅ローンを負担し続けなければならない事例が多数存在します。

単独所有であればいいのですが、ローンを借りる時に、金融機関から夫婦での共有名義を勧められ、特に意味もなく配偶者に 10 分の1程度の共有持分を認める例があり、これが財産分与を難しくしている一因となっているのです。

このような場合、共有物分割請求を行うことで解決できる場合があります。
同じようなお悩みをお持ちの方は、当事務所にお気軽にご相談ください。

(担当弁護士 五十嵐勇)

掲載日:2024年5月29日